全国デュエパ旅レポートマップ

1.【旅行記】火の国、熊本へ

今回は九州の熊本まで遊びに行ってきました!
愛知県の第二の空港、小牧空港からスタートです。

これが楽しみに来ているところがあります。
デュエマプレイヤー的にはDMGPやファンフェスティバルの会場の隣にあるセントレア(中部国際空港)が馴染みがあると思いますが、小牧空港(県営名古屋空港)はかつての中部の空の玄関口であり、今は地方便が就航しています。
このデュエパ旅だと何度も利用することになると思うので、憶えておくといいかも知れません。

熊本空港からはレンタカーを借り、熊本各地を探索です。
まずはファンイベントの前の旅行記として、立ち寄ったスポットについて紹介させていただきます!
熊本城

最初に訪れたのは熊本のシンボル、加藤清正が建てた名城、熊本城です。
五重天守閣の立派なお城なんですが、来たのは初めてだったりします。
以前熊本に立ち寄った時は熊本地震の被害で修復中でした。

写真提供:熊本城総合事務所
熊本地震では熊本城は小天守や屋根瓦、石垣など多くの部分が崩壊し甚大な被害を被り、大天守こそ修復されているものの、全て終わるには30年かかるそうです。
東日本大震災の後ということもあって(少なくとも筆者の周りでは)そこまで大きな報道をされていなかった熊本地震ですが、改めて被害の爪痕を見るとショッキングでした。
熊本城は戦後に市民と行政が一体となって再建された歴史があり、熊本における戦後復興の象徴でもありました。
噴火する阿蘇山を擁するなど、元来より厳しい自然環境の熊本において、熊本城は何度打ちのめされても立ち上がる不屈の県民性を象ったものと言えるのでしょう。
水前寺成趣園

江戸時代に熊本藩の細川氏によって作られた大きな庭園です。
細川氏と言えば数寄者が多い一族なので、こういった美しい庭園を作るのも納得です。
庭の立派さもさることながら鳩やシラサギもいて癒されるのですが、暑すぎてあまり歩き回れなかったですね‥
ラーメン赤組 上通店

熊本名物の熊本ラーメンをいただきました。
とんこつスープにマー油の香ばしい風味が効いてうまい。
熊本地震震災ミュージアムKIOKU

ここは熊本地震で被災した物品の展示や、避難所の様子を伝える資料館です。
熊本城の被害を聞いて深堀りしたくなったため予定外の訪問です。
熊本地震は直接の死者は50人ですが、地震関連死がその4倍以上おり、地域の学校が崩れたりしたことによって生活を変えることを余儀なくされた人もあります。
筆者のような愛知県民は東海地震・南海トラフ地震がいつか起きるということを子供の頃から繰り返し言われていますが、未だその日は来ていません。
大観峰

ここからは阿蘇山を目指します。
大観峰は阿蘇五岳を一望できる山なんですが、雲の中には入ってしまい見えませんでしたね…
秋なら雲海を見ることもできるそうです。
お食事処 いまきん食堂

内牧温泉の一角にある人気の食堂で、熊本名物のあか牛のステーキ丼とからし蓮根をいただきました。
赤身が多くてやわらかくて美味しい!
駄菓子屋チロリン村

いまきん食堂と同じく内牧温泉に、物凄く昭和チックな駄菓子屋があったため吸い込まれてしまいました。
中には駄菓子だけでなくブロマイドやプラモデルと、令和ではなかなかお目にかかれないノスタルジックな雰囲気。

なんと射的までできます。
今こそ《インビンシブル・ナーフ》で鍛えた腕の見せ所。
…的には当たっても中々倒れませんね。
阿蘇くじゅう国立公園


阿蘇の山頂を目指して車を走らせます。
ご存じの通り阿蘇山は活火山で、背の高い木が育ちにくい環境です。
そのため放牧が盛んということで、道中は牧場が多く、馬や牛(さっき食べたあか牛も)を見る機会が多かったです。
また、火口に近づくと火山活動で崩れた斜面も目立つようになり、草の緑と山の地肌が織りなすコントラストが独特の、魅力的な景色になります。
ドライブ好きなら是非ともおすすめです。
草千里ヶ浜

火口のすぐそば、阿蘇のカルデラ地形の上にできた草原地帯です。
雨水がたまった池がとても綺麗です。放牧された馬や牛の水飲み場でもあるそうです。
阿蘇中岳 第1火口

景色が緑から山肌の茶色交じりになり、そして赤黒い岩肌に囲まれると、白煙立ち上る火口にようやく辿り着きました。
常に火山性のガスが噴出しており、火山活動次第で見学エリアが制限されることもあるほどです。
尖った岩肌に広大な火口が視界に広がる圧巻の景色で、来れて本当に良かったです。
通潤橋

最後に、国宝である石造の橋に訪れました。
水不足に悩む農地のために建てられた、「放水」する機能を備えた橋です。
その豪快な様子は台地だけでなく心も潤わすのだとか。
2.【イベントレポート】火の国×ティーチャーCS前夜祭!

今回は主催のティーチャーさんにお誘いいただきました。ありがとうございます!
お誘いいただけたら遊びに行きますので、イベント主催者の方は気軽にお声がけください。

イベント会場はコミュニティセンターのホールで、舞台があるのが静岡CSを思い出させる懐かしい雰囲気。
本イベントは翌日に開催される火の国CSの前日祭という位置づけで、地元熊本以外にも鹿児島や山口などの他県からの参加者もいらっしゃっていました。

あとこのイベントですが、自由にベイブレードで遊べます。
対戦の待ち時間などで遊ばれており、ゲーム中の背後からベイがぶつかり合う激しい音が響いてきます。
賑やかどころかうるさいレベルですが、そこが楽しかったりします。
【アイテム紹介】盛り上げたで賞

本イベントでは「盛り上げたで賞」があり、ゲームが終わったタイミングにお代が抽選され、そのお題に沿ったと他のプレイヤーから投票されたプレイヤーには追加の景品が貰えます。
勝利以外のゲームの過程を重視する、カジュアル向けの良い施策ですね。
1ゲーム目

5色ファッティ
バクシさん
青黒緑スネーク(筆者の貸し出し)
オニギリサムライさん
5色ドラゴン
46ネコさん
白青ハイドロ・ダイヤモンド
メルキス(筆者)
プレイレベル:3
レベル3のゲームだったのですが、オニギリサムライさんが対応するデッキがなかったので本人の希望もありスネークを貸し出して、筆者はロードリエスを使用。
割と回すのが大変なデッキですが…?
46ネコさんの《龍世界 ~龍の降臨する地~》からの《ニコル・ボーラス》を4ターン目に被弾してしまい、ブロッカーを並べる以外の行動ができない苦しい展開に。
踏み倒しを咎められるカードを引けてないときついですね…

オニギリサムライさんがコスト軽減+スネークでクリーチャー大量展開+SA化ができましたが、打点が足りなくて筆者だけが落とされる展開に。
その後は大型クリーチャー中心のゲームになり、46ネコさんが勝利。

提携イベントということですが随分手広くやっておられますね。
優秀な方が入ったりしたんでしょうか…?
対戦後の盛り上げた賞のテーマが「かわいい王」だったため、かわいいブロッカーを並べていたため選考されました。ありがとうございます。
2ゲーム目

赤単ボルシャック・カイザー
companyさん
赤単旧枠多めアーマード
あじむさん
白青赤重呪文
メルキス(筆者)
5色サバイバー
メイフライさん
プレイレベル:2
今度はレベル2です。
重呪文デッキは撃つ呪文などの構成を少し見直したため使いたくて使用しました。
序盤は《聖騎士ミルキーウェイ》等でひたすらマナブーストし、全員が妨害を撃つことなくゲームが進みました。
しかしあまりにのんびりしていたらいつの間にかcompanyさんの《ボルシャック・カイザー》の無限アタックが成立していました。
途中のG・ストライクで無限攻撃は止まったものの、横にいた《ボルシャック・パラフィオル》で他のクリーチャーの打点も揃ってしまいピンチに。
最後のシールドから《緊急最誕》が来たので、パートナーの《BWM》を進化元に《甲型龍帝式 キリコ3》に進化。
そこから捲れたのが《インビンシブル・ナーフ》!

明らかにそれどころではない状況でしたが捲れてしまったので撃つしかありません!
他の卓のプレイヤーの視線も浴びながら5発射撃。
結果は1発命中でした。(うれしい)

このゲームでも盛り上げた賞「マナ王」をいただけました。ありがとうございます。

あと、あじむさんのアーマードが《ガルカーゴ・ドラゴン》や《超龍ジャバハ》などの旧枠ドラゴンいっぱいで大変ロマン溢れる構成でとてもよかったです。
3ゲーム目
写真撮り忘れた…
白赤緑ドリームメイト
非常食さん
赤単旧枠多めアーマード
あじむさん
白青赤重呪文
メルキス(筆者)
青黒魔導具
みねらるさん
プレイレベル:2
他にも使いたいデッキはあったのですが、前述の通りデッキの構成を変えたこともあり再び使用。
このゲームはあまり写真を残せていなかったのですが…
非常食さんのドリームメイトが少ないマナで無駄なく動いたりして完成度が高いなと感心していたのと、みねらるさんの青黒魔導具がターン終了時に《ヴォゲンム》と同時に無月の門を6枚くらい一気に宣言されていたのが印象的でした。

筆者は終盤に《DECKY THE HALL》を使用。
仮想パックを使うことを許していただいたので、マスターズ・クロニクル・パックを選択。
凶悪なセットが目白押しのパックなのですが、ほぼ唯一の外れ枠であるミミちゃんのセットが当たったため、ゲームを決定づけることはできませんでした。
とはいえ《アストラル・スーパーリーフ》で大量ドローしてから《ルード・ザーナ》でバウンスできたりととても面白かったです。

3.【主催インタビュー】ティーチャーさん

イベント終了後、ファンイベントの主催者であるティーチャー(以下「森田」)さんにお話を伺う機会をいただきました。
森田さんは第一期の認定ジャッジで、鹿児島や熊本のイベントの主催や、DMGPのヘッドジャッジを務められています。
直近ではジャッジLv.2のシルバージャッジに昇格され、現在最も前線で活躍されているジャッジの1人と位置付けられます(すごい)。

熊本のデュエパ事情
――よろしくお願いします。本日はイベントにお誘いくださりありがとうございます。
森田「こちらこそ。遠くからありがとうございます。」
ーーかなり盛況でしたが、熊本はいつもこんな感じなのでしょうか。
森田「熊本は何人か熱心なデュエパプレイヤーがいて、貸し出しデッキをイベントに提供してくれたりして仲間が増えています。
彼らは普段プレイレベル3で遊ぶことが多いんですが、今日は他の参加者に合わせてレベル2でも遊んでいるみたいですね。
間口を広げることに注力してくれたようです。」
ーー地域の活性化を行いつつ、遊び方もバランスを取る感じなんですね。
森田「ただ今回は、明日の火の国CSの前日祭なので、県外からも参加者が来たのが大きいです。
実際、今日の参加者32人のうち、熊本県内からの参加者は18人です。
つまり、県内だけの参加者ではプロモ配布の20人を満たしていません。」
ーーだから、CSの前日祭として参加者が接続できるようにしたのでしょうか。
森田「その通りです。
皆さんのお陰でプレイヤーも増えてきているんですが、東京のような都会と比べて、熊本では単独のデュエパイベントを開くのは結構大変だと思います。」
ーー日は跨いでいますが、CSのサイドイベントという位置付けでしょうか。
森田「はい。競技的なデュエマをCS本選でやり、そのサイドイベントとして、少し緩いカジュアルな雰囲気がデュエパに求められているように感じます。」
ーーなるほど。DMEDHも静岡CSのサイドイベントをやっていたので、お気持ちはとても分かります。
地方創生と課題
森田「CSのサイドイベントにはかなり力を入れていまして、これまでもボルコン杯や○ターチップ争奪戦や、拾ったカードだけでデッキを組む企画やら、面白そうなものをたくさんやっていました。」
ーー今回の「盛り上げたで賞」やベイブレードのスペースもそうでしたが、ユニークな企画が多いですね
森田「人口の少ない九州でも、東京や大阪の様な都会のイベントにも負けないようなイベントを作りたいんです。そのために競技イベントに加えて、サイドイベントでカジュアルプレイヤーにも楽しんでもらうことで、色んな層のプレイヤーに1人でも多く来てもらいたいんです。」
ーー地域を盛り上げる、地方創生ですね。神髄はあるのでしょうか?

森田「とにかく試行錯誤することでした。
競技層だけでなく、普段は身内で遊んでいるようなプレイヤーにも足を運んでもらいたいと考えていて、今年は(デュエマの)ティーチングなど、初心者やカジュアル向けの施策を重点的に実施しました。
やってみたらイベントの参加者は確かに増えたんですが、カジュアル層が競技プレイヤーに変化するようなケースが多く、本当の意味で多様な客層を取り込む感じにはならなかったのです。」
ーー興味深いお話ですね。デュエパーティーでも同じ話を聞きます。
森田「非競技プレイヤーにとって、ガチプレイヤーは「怖い」というイメージが根深いです。
今は、取り組むスタンスを異なるプレイヤーが共存できる空間をどうやって作れるか、ということが課題だと思っています。」
DMEDHという原体験
森田「そういえば、実は僕もDMEDHは結構遊ばせていただいていました。」
ーー本当ですか?
森田「僕の地元は鹿児島なんですが、デュエルロード(※2014年までの公認大会)が終わったらよく遊んでいました。
今思えば、アレも競技の息抜きのような感じなので、このCSのサイドイベントとしてのデュエパと同じ立ち位置ですね。」
ーー今のイベント設計に繋がる原体験だったわけですね。
森田「なのでデュエパができた時は、アングラでやっていたことが公式からお出しされたので驚きました。
公式フォーマットということで、人を誘うハードルが下がったのが嬉しかったです。」
ーー鹿児島でDMEDHが遊ばれていたのは存じ上げていませんでした。
今度久しぶりにやってみませんか?交流戦も楽しいですよ。
森田「いいですね!じゃあ鹿児島にお呼びします。でも人が集まるかな…すぐには無理でも、いつかきっとやりたいですね。」
4.【まとめ】地域でのデュエパの需要
ティーチャーさんのインタビューからは、地方ならではのイベント運営の工夫と背景が見えてきました。
まず、熊本ではプレイヤーの絶対数が限られているため、単独で20人規模のイベントを成立させるのは難しく、CSの前日祭やサイドイベントに位置付けることで県外からの流入や他イベント参加者を取り込み、規模を確保しています。
その一方で、CS本選の競技性を補完する“息抜き”として、カジュアルゲームへの需要が確かに存在し、熱心なプレイヤーはカジュアルとガチの両方を楽しまれています。
さらにティーチャーさん自身が体験した、デュエルロード後に仲間内で遊ばれていたDMEDHが原体験となり、現在の「サイドイベントとしてのデュエパ」のあり方に直結しているのも象徴的です。
地方では単独開催の難しさもある一方で、こうした交流と工夫の積み重ねが確かな手応えとなっており、今後の地方創生にも期待が持てるインタビューでした。
最後に

遊んでくださった地域のプレイヤーの皆様、レポートの制作に協力してくださった方々、ありがとうございました。
次回もお楽しみに!