【DMEDH・多人数戦】ルール変更の解説:2021/03/06

メルキスです。
21/03/06のルール変更の解説となります。

目次

■統率者の召喚時のルール変更

統率者の召喚時のルール変更3

統率領域にある統率者は、自分のメインステップ中であればコストを支払うことでバトルゾーンに召喚できます。

超統率ゾーンにある統率者は、自分のターン中、マナコストまたは自身の能力で手札にあるかのようにバトルゾーンに出すことができます。

《U・S・A・BRELLA》のような、手札以外のゾーンを参照する効果のカードが増えたことにより、統率者を超統率ゾーン(統率領域から名称変更)から召喚する時に意図しない挙動をすることが増えたため、是正を行いました。
超統率ゾーンは統率者をバトルゾーンに出す時のみ手札のように振舞い、手札から出た時の効果が誘発するようになります。

他の案として、MTGにおいて統率者を公式ルールに落とし込んだような効果である相棒ルール(エラッタ後)のように、「メインステップにコストを支払うことで超統率ゾーンから手札に移動させることができる」とする案もありましたが、超次元に合わせてある現行の使用感から大きく変えたくないのと、手札枚数としてカウントすると《ビーチボーイズ》のような意図しない挙動をするようなカードがあるためこのような変更となりました。

手札扱いする変更に伴い、手札から踏み倒す能力を自身の効果に限り使用できるように変更しました。
これにより侵略、キリフダッシュ、ムゲンクライムなどの自身を手札から踏み倒せる能力で超統率ゾーンから統率クリーチャーを出せるようになりました。
(今回に合わせて統率者を出せるタイミングを自分のメインステップ中のみとしていたのを自分のターン中に変更しています)

但し革命チェンジは「入れ替える」という動作がバトルゾーンと手札として扱われている超統率ゾーンの入れ替えになり、統率者以外は超統率ゾーンに移動することはできないことから入れ替えが成立しないため、超統率ゾーンから革命チェンジを行うことはできません。
また、自身を踏み倒さないドロン・ゴーや《ヘブンズ・ゲート》などの踏み倒しカードも対象外です。

統率者の選択肢が大幅に増えるため、今回の変更で最も大きな部分ではないでしょうか。
個人的にも使えるカードやデッキの幅が広がるので面白そうだと思っています。

・統率者税の変更

統率者コストのルール変更に伴う裁定変更

この方法で召喚する場合、この方法でこれまでに統率者を召喚した回数1回につきコストが2多くなります。G・ゼロ等のコストを支払わずに召喚する効果を使う場合、召喚した回数にかかわらずにコストを支払わずに召喚できます

ゲーム中この方法で出した回数だけ、マナゾーンのカードを2枚タップしなければなりません。

統率者税のルールを追加のマナコストという扱いからコスト軽減ができないO・ドライブ方式のマナタップに変更しました。
侵略やG・ゼロなどのコスト踏み倒しは、従来のルールだと統率者税ごと踏み倒してしまい、統率者の繰り返し使用によるゲーム展開の硬直を低減するという統率者税の目的を果たせなくなるためです。

■統率ドローの変更

統率ドローのルール変更2

統率者が相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかったとき、カードを1枚引くことができます。

統率者の攻撃の終わりに、ターンに一度、その攻撃中にブレイクしたシールド1つにつき自分の山札の上から1枚を見て、その中の1枚を手札に加えて残りを好きな順序で山札の一番下に置くことができます。

統率ドローが1ドローから、ブレイク枚数に応じてデッキトップを見て、その中から1枚を手札に加える方式に変更しました。
この変更の背景には「マジボンバーと統率ドローの意図しない相性」及び「小型-大型統率者の格差の是正」の2つがあります。

マジボンバーを持つクリーチャーを統率者にした時、統率ドローでマジボンバーで見たデッキトップを掘ることでマナアンタップクリーチャーと組み合わせて延々と展開しながら攻撃できるため、早期に大量の打点を生成する統率者が複数存在していました。
この対応のため、統率ドローにターン1回の制限が必要となりました。

ただしこれにより、統率ドローを目的とした小型統率者が大型統率者の選択肢を奪いがちであるという、従来より存在していた格差が大きくなりました。
このため統率ドロー自体の見直しを行い、統率ドローに代わる統率者の恩恵の検討を行いました。

統率者のメリット検討(条件)統率者のメリット検討(効果)

ゲーム中の統率者に求められるメリットを「ゲームの進行を促進できる」と「大型がやや有利になる」という要件で条件と効果に分けて検討したところ「ブレイクした枚数ぶん」「デッキトップを見て1枚手札に加える」とするのが最適という結論になりました。
相手を攻撃して手札を増やすという点は従来と変わりませんが、複数ブレイクできる大型統率者は1回の攻撃によって手札の質を高めやすくなっています。
小型統率者が弱体化したわけではないので、量の小型と質の大型という感じに棲み分けることができます。

また、このルールは少し特殊な裁定として、攻撃した統率者がS・トリガーで除去されてもブレイクしていれば手札に加えることができます。
これはブレイク・ボーナスや《超音速 ターボ3》などの裁定と異なるものです。
ブレイク・ボーナスなどはブレイクしたクリーチャーが発生源になって誘発している効果なので、トリガーで除去されると発生源が消えて攻撃後に誘発しないのですが、この変更後統率ドローは効果の発生源を持ちません(敢えて言うならルールが誘発させている)。

これは統率者が《あたりポンの助》などで効果を失っても統率ドローが行えるという従来の裁定にも適うものであり、処理のモデルはとしてMTGのコンスピラシーの統治者(統率者のことではない)を参考にしています。
統治者

■ゴッド統率者の変更

ゴッド統率者の個別化変更ゴッド統率者のルール

現行のルールではゴッド統率者はリンク状態を1枚のカードとして扱いますが、1体ずつ独立で機能して、別々に召喚できるようにルールを変更します。
MTGの統率者戦に「共闘」を持つクリーチャー同士を2体まで統率者に指定できる共闘統率者ルールが登場していますが、今回変更したゴッド統率者はこのルールに近いものとなっています。

デッキは統率者と合わせて60枚のため、6神を統率者にするとデッキ枚数は54枚になります。
また、統率者を超統率ゾーンから出した回数は1体ずつ個別に数えます。
統率ドローのターン制限は全ての統率者から1回なので、2体神をバラバラに攻撃して2回統率ドローというのはできません。

106000106100

偶然ですが、変更前のルールはDUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)におけるゴッド・クリーチャーに似ており、変更後はゴッド・カードのイメージに近いですね。

■マナ染色無効化ルールの廃止

《薫風妖精コートニー》や《侵攻する神秘 ニガ=アブシューム》などのマナゾーンに文明を追加する効果をルールで無効にしていましたが、廃止します。
【DMEDH】マナゾーンのカードの文明追加に関するルール追加

元々このルールを設定していた理由は2つあり
・スペースチャージループをはじめとした即死コンボがゲームに悪影響を与えていた
・MTGの統率者戦には「デッキ内のカードはその色のマナしか生み出せない」というルールがあり、それのデュエマ版ローカライズという位置付け

前者は当時設定されていなかった2度撃ち規制ルールで現在は殆ど対応できており、後者はMTGの方が2016/1/18付けで廃止されているため、このルールを継続する理由が弱くなりました。
今後これに関連する問題が発生した場合は規制カードでの対応となりますが、数が膨大になりそうな場合は再度無効化ルールを設定する可能性があります

■相手を対象にする効果の振り分け裁定変更

相手と書かれている効果の振り分けのルール変更3

《ガンヴィート・ブラスター》のように■で区切られている効果、《ボルメテウス・ホワイト・フレア》のように▶で区切られている効果、ナイト・マジックやバズレンダのようなキーワード能力で複数誘発する効果などは別々の相手プレイヤーに振り分けることができるようになります。

従来の裁定の考え方は誘発能力や呪文能力は効果の処理前に相手プレイヤーを対象にしていました。
しかしこれは《デモンズ・ライト》はドローする前にパワーマイナスの効果をどの相手プレイヤーに向けるのか宣言するというのが正しい処理になりますが、直感的ではなくて形骸化した処理でした。

これを唱えた後に相手プレイヤーを選ぶという挙動に是正したことにより、《神滅恐皇グールギヌス》のような独立して誘発する効果や、《ZEROハンド》のように誘発条件と効果が分かれているものが別々の相手プレイヤーに振り分けることができたのを、誘発能力と呪文能力全般に横展開することができるようになりました。

また、モードを持つカードの処理の順番の裁定及び「その後」能力の効果処理に関する裁定変更により、カードの効果の区切りがどこにあるのか、というのを改めて検討したところ、区切り記号によって区切られていると考えるのが適切であると判断しました。

記号に加えて「その後」というテキスト表記で区切ることも検討しましたが、個別裁定が多く必要になってルールがわかりにくく断念しました。
また、《腐敗電脳アクアポインター》と《電脳勇騎マグナス》のように「~し、~」と「~する。その後、」で意味が同じにも関わらず処理が変わってしまうことになり、これは法則性もない表記揺れなので、この書き方の違いでカードの挙動を分けるべきではないと判断しました。
■や▶は区切り記号というわかりやすい目印があるのでこちらが適切であると考えています。

■相手の情報を参照する効果の裁定整理

多人数戦の相手のカード枚数を参照する能力の裁定

ラビリンスや鬼タイムの、特に常在型能力の処理の質問が多く、整理もされていなかったため裁定をまとめました。
常在型能力は相手全員を参照しますが、比較する時に相手の情報(シールドなど)は合算せず、それぞれ個別に比較して判定します。

変更したものは自己強化系の常在型能力は達成しているプレイヤーの数だけ効果が重複して強化される、というものです。
これは《正義の煌き オーリリア》のような妨害型の常在型能力が条件達成した相手のみ効果を及ぼす、という従来の裁定に考え方を合わせたものです。
参照と効果の矢印がそれぞれ相手一人ずつに対して伸びている関係をイメージするとわかりやすいかと思います。

これによって《龍装者”OGU”ヴァル》が4人対戦だと最大でパワー16000のWブレイカーのSAになります。
同じ条件の《レベリオン・クワキリ》なら最低でも25000だったりしますが…

■攻撃誘導効果の裁定変更

攻撃誘導効果の裁定変更2

従来は《ドンジャングルS7》のように攻撃を吸い込む効果のクリーチャーがいると他のプレイヤーには攻撃できない裁定です。
これは当時「相手の攻撃クリーチャーは可能であればこのクリーチャーを攻撃する」という表記で、攻撃対象の宣言時にかかる効果なのか、ブロックなどの攻撃時にかかる能力なのかはっきりとしていませんでした。
結果《超神龍アバス・ノナリス》のような強制吸い込みと統一された裁定となっていました。

しかし、新DMからブロッカーの表記が変更されたうえ、吸い込みの表記も「相手のクリーチャーが攻撃する時、可能ならこのクリ―チャーを攻撃する」という表記に統一されました。
この表記はブロッカーやメタリカの攻撃誘導のように、攻撃宣言より後のタイミングに掛かる効果です。
そのため吸い込むクリーチャーがいないプレイヤーに攻撃宣言を行える方が自然なので、ドンジャングルがいても、他のプレイヤーに攻撃できるように裁定を変更しました。

■ガイドラインによる規制カードの考え方

パワーレベルの目安

昨年10月にレベルガイドラインを先行公開しました。
これはDMEDHの基本理念をより具体化したもので、デッキ・プレイのレベルを合わせることでゲームの参加者全員が楽しく遊ぶことを目指すものです。

今回の規制リストの変更ではガイドラインが適切に運用されることを前提として規制を緩めたり、従来なら規制されていたものが見送られたりしているカードが幾つかあります。
今後の規制の方向性もこれを踏襲する計画ですが、緩める速度はガイドラインの活用度合いで調整することになります。
全てのカードへの個別のコメントはしませんが、《魔天降臨》については使われ方を見ていきたいと考えています。
大量ハンデスや《リアリティ・ヴォイド》と組み合わせたりするなど、わざわざゲームを破壊するような極端な使い方をしなければ問題はなく、多人数戦の奥行きを広げるメリットのあるカードだと考えています。
この考え方はゲーム中のヘイトに依らない1人のプレイヤーへの集中攻撃などと同じです。

ガイドラインが適切に活用されていれば規制リストの増加の抑制することができ、新規プレイヤーがゲームに参集するための敷居を下げることができるので、活用されることを期待しています。

■最後に

休止期間の間にこれまでやりたくても規制カードの対応が優先されて手が回っていなかった、統率者周りのコアなルールや多人数戦の裁定といった検討に時間が必要となるものの見直しを行い、それを反映しました。
DMEDHが今まで以上に楽しめるゲームになるような変更だと思っています。
チェックは行いましたが、もし今回の変更で不具合が出てきたら修正を検討します。
以上、よろしくお願いいたします。

関連記事:
http://dm.akrecord.com/variantrules/Reading/multiplayinterpretation
http://dm.akrecord.com/variantrules/Reading/dmedhfaq

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

管理者
DMEDHの設計者で、デュエパーティーの協力者
デュエマの統率者戦を楽しむ方のために様々な取り組みをしています

目次